リウマチャー的新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の話題
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関する話題をリウマチャー的話題から分離しました。 古いニュースは記事の削除などによる一部リンク切れがありますが、ご了承ください。
このページはまとめての更新なので遅れがちです。 速報はFacebookやTwitterでどうぞ。
■都道府県ごとの感染状況(定点把握) by NHK
■新型コロナ・季節性インフルエンザ・RSウイルス リアルタイム流行・疫学情報 by モデルナ
■COVID-19感染者(推定値)の状況 by EIDリサーチ・リソースライブラリ研究グループ事務局 名古屋市立大学データサイエンス学部 間辺研究室内
■下水サーベイランス 札幌市・仙台市・岩手県・神奈川県・山梨県・小松市・滋賀県・養父市・香川県・宇部市・沖縄県
■膠原病・リウマチ患者さんのための新型コロナウイルスについてのQ&A by リウマチ情報センター(財団法人日本リウマチ財団)
□新型コロナウイルス国内感染の状況 ※2023年5月8日の5類移行で厚生労働省の日次ベースでのデータ公表が終了によりデータ更新停止 by 東洋経済
RA CITYとしての見解(2024年3月現在)
以下、RA CITYとしてのあくまでも一人の患者としての個人的な意見です。 当方は医療機関や行政機関ではありませんので、何ら責任は負えない点ご了承ください。 また、みなさんの行動を強制するものではありません。 対策の緩和が進みメディアではコロナ明け等称されていますが、継続的に免疫を抑える治療をしているわたしたちにとっての危険性は基本的には変わりなく、周囲の対策緩和でいっそう危険と考えてもいいかと思います。 テレビでは感染状況が報道されない等の情報不足も危険の一因です。 このページの冒頭には一週間ごとに定点把握と毎日の推定値を見られるサイトへのリンクがあります。 ただし、検査自体を受けない人が増えているので、実際にはもっと多いと考えられます。 身を護るには、ウイルスへの曝露量をなるべく少なくすることです。 閉鎖した空間や近距離での人との接触をできるだけ避けること、性能の優れたマスク※1を隙間なくきちんと着用すること。 ユニバーサルマスキング(全員がマスク着用)ではなくなってしまい、本来効果的とされた感染させる側が着用しなて状況になってしまったので万全とは言い切れませんが、せめて自分側だけでも着用を。 帰宅したら手洗い・うがいとともに、鼻うがい※2も取り入れることを提案します。 重症化やLong COVID(いわゆ後遺症)を回避するには、体内に入るウイルスを減らすこと、できる限りワクチンを接種しておくこと、早期の抗ウイルス薬(パキロビッドパック等)をの投与、症状軽快後に無理をしないことです(2か月間は安静と言われています)。 感染してからでは辛いので予め備えておきましょう。 近隣の発熱外来を自治体サイトで調べておく(リウマチで通院しているクリニックに診てもらえるならベスト)、氷枕(冷えピタ等ではなく※3アイスノン等)、カロリー摂取できるゼリー飲料等の備蓄(喉の痛みが予想されます)、ネットスーパーなど外出せずに買い物できる手段の点検など。 それと、通常の通院ができない可能性に備えて常備薬は余裕を持って。 恐いですよー!と煽るつもりはありません。 でも、罹っても平気ですとは言えないのが現状です。 今はマスクをはじめとして何もかもが個人の判断となりました。 逆に言えば他の人から促されて対策を緩める必要はないということですので、堂々と身を護ってください。 ずっと対策し続けて、気持ちもお疲れのことと思います。 羽根をのばしたいと思いますし、お仕事や学業やさまざま事情でなかなか思い通りにはいかないと思いますが、リウマチャーのみなさん、ご家族、世界の人々全員の無事を祈っています。 ※1 マスクについて・・・内閣府によるマスクの正しいつけ方はこちら、マスクの効果はこちら ※2 鼻うがいについて・・・難しそう、痛そうという印象がありますが、手軽で安心な鼻洗浄器が市販されていますので、それを利用すれば痛みもなく快適にできます。 感染してからも喉の痛み等の症状を和らげLong COVIDの可能性を減らせるとのことですので、この機会に試してみる価値はあると思います。 ※3 氷枕について・・・冷却ジェルシート(冷えピタ、熱さまシート等)には体温を下げる効果はありません。 →参考記事 冷却ジェルシートにはクーリング効果があるのか? by日本医事新報社 |
■公的支援の終了に伴う2024年4月からの見通し
■病気やケガなどで飛行機の予約便に乗れない場合
■民間の生命保険・医療保険等の宿泊施設や自宅療養時の扱いについて(特例は終了しました)
■ACR(米国リウマチ学会)による情報
●COVID-19ワクチンのガイダンス
『COVID-19 Vaccine Clinical Guidance Summary for Patients with Rheumatic and Musculoskeletal Diseases=リウマチ性および筋骨格系疾患の患者のためのCOVID-19ワクチン臨床ガイダンス』
2022年8月12日には第5版にCDCのガイドラインに基づき少なくとも合計5回のワクチン投与の推奨を明確にする更新ガイダンス、およびモノクローナル抗体治療に関する改訂情報が、追加されました。
2021年8月の第3版の改訂では「免疫抑制薬または免疫調節薬を服用しているほとんどすべての患者は、mRNAワクチンの追加投与を受けるべき」とされました。 これは、CDC(アメリカの疾病対策センター)が、特定の免疫不全患者は新型コロナウイルスメッセンジャーRNAワクチンの3回目接種を受けるべきとの推奨を発表したことを受けてのことです。
CreakyJointsによる『Getting a COVID-19 Vaccine with Autoimmune or Inflammatory Rheumatic Disease: New Guidance from the American College of Rheumatology=自己免疫または炎症性リウマチ性疾患を持つ人のCOVID-19ワクチンの入手:米国リウマチ学会からの新しいガイダンス』はわかりやすい説明ですが、2021年8月時点の内容となっています。
●リウマチ性疾患を持つ患者に対するワクチンのガイドライン(COVID-19以外のワクチンに関して)
2022 Guideline for Vaccinations in Patients with Rheumatic and Musculoskeletal Diseases
米国リウマチ学会2022(ACR2022)で発表されたCOVID-19以外のワクチンに関してのガイドラインです。 ただし、あくまでもアメリカでのガイドラインで日本では添付文書の範囲内で行うことが推奨されます。
このガイドラインについて公益財団法人 日本リウマチ財団がまとめた表→ACRのリウマチ性疾患を持つ患者に対するワクチンのガイドライン
このガイドラインについて昭和大学 リウの地・抗原美容内科がまとめた表→ACRワクチンガイドライン2022
■CreakyJoints(米国の関節炎やリウマチ性疾患を持つ人々のための支援団体)による情報
●COVID-19(コロナウイルス)のキーワードでの検索結果
COVID-19 (Coronavirus) and Arthritis
CreakyJointsでは最新のガイダンスとアドバイスが提供され、定期的に更新されています。 COVID-19をキーワードにして検索して、ワクチン、COVID-19中の日常生活、関節炎とCOVID-19症状の管理、COVID-19の精神的健康、COVID-19での関節炎治療法について、COVID-19における患者の視点、コロナウイルスの必読記事といったトピックがを読んでみましょう。
●自己免疫または炎症性リウマチ性疾患を持つ人のCOVID-19ワクチンの入手:米国リウマチ学会からの新しいガイダンス ※2021年8月時点の内容となっています。
『Getting a COVID-19 Vaccine with Autoimmune or Inflammatory Rheumatic Disease: New Guidance from the American College of Rheumatology=自己免疫または炎症性リウマチ性疾患を持つ人のCOVID-19ワクチンの入手:米国リウマチ学会からの新しいガイダンス』(2021/8/20改訂)
【2021.11.23】2021年秋の最新情報:リウマチ患者におけるCOVID-19ワクチンについて今わかっている7つのこと
米国リウマチ学会の年次総会であるACR Convergence 2021で発表された最新の研究結果をもとに、ワクチン効果や各種免疫抑制剤による影響、疾患再燃のリスクなどに関する新しいデータについて紹介されています。
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【2024.3.12】リウマチ様疾患、コロナ罹患1年後まで注意−韓国と日本における2国間横断コホート研究
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COVID-19後に自己免疫疾患の発症リスクが増加(2023/9/6) by メディカルトリビューン
Long-Term Autoimmune Inflammatory Rheumatic Outcomes of COVID-19 : A Binational Cohort Study(2024/3/5) by Annals of Internal Medicine(Ann Intern Med)
Long-Term Autoimmune Inflammatory Rheumatic Outcomes of COVID-19: A Binational Cohort Study(2024/3/5) by American college of Physicians(ACP)
【2023.9.6】COVID-19後に自己免疫疾患の発症リスクが増加
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【2023.6.13】COVID-19の罹患は自己免疫疾患の発症リスクか
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【2023.4.21】免疫抑制薬が新型コロナウイルスワクチンの有効性に及ぼす影響が明らかに
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免疫抑制薬が新型コロナウイルスワクチンの有効性に及ぼす影響が明らかに〜 膠原病患者におけるワクチン接種後の抗体量の経時的変化の測定から 〜(2023/4/21) by 東邦大学
Influence of immunosuppressive therapy on longitudinal changes in anti-SARS-CoV-2 spike protein antibodies after two doses of mRNA vaccines in patients with rheumatic diseases(2023/4/10) by European Journal of Internal Medicine
【2022.12.20】mRNAワクチンの効果の持続性に対する免疫抑制治療の影響
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免疫疾患における 新型コロナワクチン効果の持続性を明らかに。 免疫抑制治療の影響とオミクロン株に対する効果(2022/12/12) by 大阪大学
Persistence of SARS-CoV-2 neutralizing antibodies and anti-Omicron IgG induced by BNT162b2 mRNA vaccine in patients with autoimmune inflammatory rheumatic disease: An explanatory study in Japan(2022/12/19) by The Lancet Regional Health
【2022.2.10】新型コロナウイルス感染症を対象にした経口薬の「パキロビッドパック」の併用禁忌
2022年2月22日にファイザーがパキロビッドパック(一般名:ニルマトレルビル錠/リトナビル錠)について、コロナ(SARS-CoV-2)に対する経口抗ウイルス薬の特例承認を取得しました。
この薬にはかなりたくさんの併用禁忌があり、その中に以下の消炎鎮痛剤=NSAIDsも2つ含まれています。
飲み薬 アンピロキシカム(フルカム) ←2023年8月の改訂で削除されました
塗り薬 ピロキシカム(フェルデン、バキソ) ←2023年8月の改訂で削除されました
禁忌ではないけれど、休薬等の処置が必要な薬にシクロスポリン(ネオーラル)、デキサメタゾン(デカドロン、レナデックス等)が含まれています。
リウマチ関連でなくても他にも併用禁忌の薬がたくさんありますので、ご注意ください。 受診の際は使っている薬を全部伝えてください、お薬手帳を持参すると安心です。
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【2022.1.21】アクテムラ、新型コロナウイルス感染症による肺炎に対し適応追加の承認を取得
2022年1月21日に中外製薬がアクテムラ(一般名:トシリズマブ)について、コロナ(SARS-CoV-2)による酸素投与を要する肺炎に対する適応追加の承認を取得しました。
コロナ感染症の治療に使える薬が増えたことは喜ばしいのですが、元から使用しているわたしたちリウマチャーへの供給不足が起こらないかが心配です。 昨年夏にはアメリカを中心にし在庫不足が発生していました。 ただ、日本国内でも実際には今までにも治験投与されていましたし、酸素投与を要する方に限られるので、現在流行中のオミクロン株では肺炎が比較的起きにくいため、いきなり極端な品薄にはならないのではないかとは思います。
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【2022.1.17】新型コロナウイルス感染症スーパースプレッダーの因子と考えられる疾患の1つに関節リウマチ
東京医科歯科大学の総合研究科国際健康推進医学分野のの藤原武男教授の研究グループは、東京医科歯科大学救急救命センター、東京医科歯科大学臨床検査医学分野との共同研究で、新型コロナウイルス感染症のPCR検査で高いウイルスコピー数を有し、周囲への感染を拡大するスーパースプレッダー(super-spreader)と呼ばれる患者の決定要因について明らかにしました。
新型コロナウイルス感染症におけるスーパースプレッダーとは、感染症を引き起こす病原体に感染した人のうち、他人への感染力が強く、通常考えられる以上の二次感染例を引き起こす人を指します。
研究グループでは2020年3月から2021年6月までに、中等症から重症の新型コロナウイルス感染症で東京医科歯科大学病院に入院し、少なくとも1回以上RT-PCR検査(Real time polymerase chain reaction. PCR法によるDNA複製過程をリアルタイムに測定する手法、増幅産物の定量が可能)が行われた患者379名を対象とし、スーパースプレッダーを特定する要因について検討を行いました。
高血圧(146名)・糖尿病(82名)・脂質異常症(70名)・高尿酸血症(29名)・関節リウマチ(8名)・がん(71名)・慢性腎不全(25名)・脳梗塞(19名)・心臓病(34名)・肺疾患(41名)・アレルギー(68名)といった既往歴(重複あり)について調査を行い、分析しました。 年齢や性別、喫煙歴で調整した分析の結果、上記の既往を3つ以上重複して有する患者では、既往のない患者と比較して、ウイルスコピー数が87.1倍高くなることが明らかになりました。 また、糖尿病患者では17.8倍、関節リウマチ患者では1659.6倍、脳梗塞患者では234.4倍、ウイルスコピー数が高くなることが明らかになりました。 入院時の血液検査結果の解析では、入院時に血小板とCRPが低い患者は高いウイルスコピー数を有することが明らかになりました。 さらに、複数回RT-PCR検査を行った患者を分析した結果、90%以上の患者が初回または2回目の検査で最大のウイルスコピー数に達していることが判明しました。
うれしくないニュースですが、わたしたちリウマチ患者全員がスーパースプレッダーであると決まったわけではありません。 注意すべき点としては、今回の研究では1名を除くすべての患者がワクチン未接種だったことがあると思います。 また、解析の対象となった患者の一部は他の病院から転院しており、転院前の治療によりウイルスのコピー数が変化している可能性があるとのことです。 中等症から重症の患者であり、軽症の患者におけるウイルス量と基礎疾患との関連は明らかではありません。 研究期間が2020年4月から2021年7月であったため、L452R変異を有するデルタ変異型の患者がほとんど含まれておらず、系統の違いによって、調査対象となったリスク因子とウイルスコピー数の関連性が修正されたかどうかはわかりません。
わたしたちにできるのは、ワクチンはどうしても接種できない事情がなければ接種しておくこと、最大限の予防を心掛け、他の人への感染の可能性が大きいことを意識しておくこと、感染してしまって治療を受ける際には基礎疾患があることを伝えるのを忘れないこと、かと思います。
この研究の意義は、基礎疾患を持つ人への差別の助長ではありません。 基礎疾患の有無や検査データを用いて潜在的なスーパースプレッダーを特定できることで、入院時の個室の使用や医療従事者の注意の喚起によって院内クラスター発生を予防するなどの対策に役立てることが目的だと思います。
この研究成果は2021年12月30日に、国際科学誌 Journal of Infection のオンライン版で公開されました。
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【2021.8.18】アクテムラがコロナ治療の需要増で数カ月供給不足へ
中外製薬のアクテムラ(一般名:トシリズマブ)は、関節リウマチの治療薬で、日本で開発された唯一の国産生物学的製剤ですが、コロナの重症者の治療にも有効とされたために需要が急増し、供給が追いつかなくなっているとのことです。
元々、コロナ治療向けの抗体医薬やコロナワクチンの製造を優先するため、医薬向けの製造設備や資材、原料などが世界的に不足していたところへ、6月にアメリカで、7月にWHOで重症コロナ治療薬として緊急使用許可・推奨され、アメリカや途上国での需要が拡大しました。 欧州でも審査が始まっています。 さらにデルタ株感染の蔓延で供給不足に拍車がかかっってしまいました。
アメリカではすでに在庫がなくなりかけているそうです。 次回の出荷は8月末、感染拡大が続くと今後数週間〜数カ月は在庫切れになる見通しです。
日本では、コロナ治療薬としての申請はまだされておらず、国内では現時点で出荷調整などを行う状況ではないそうです。 アクテムラは中外の宇都宮工場を中心に製造されており、昨年からの需要増を受けて、原薬製造だけだったジェネンテックの工場でも製剤化を行ったり、医薬品製造支援機関(CMO)を活用したりするなどして供給量を拡大し、能力はコロナ前から倍増しました。 供給量の約6割を占めるという途上国向けでは、中外とロシュが特許権を破棄し、現地のCMOなどがロイヤリティーフリーで製造することは可能になりました。 だが途上国の需要はコロナ前から4倍に増えており、供給が追いつかない見通しだそうです。
なお、日本でも年内にコロナ適応を承認申請する予定だそうで、日本国内での不足も心配です。 従来から使っているわたしたちの分が不足することのないよう、十分な供給を願いたいものです。
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【2021.8.11】免疫抑制薬、コロナワクチン1回例に影響
オランダの Amsterdam Rheumatology and Immunology Center(ARC) の Laura Boekel氏らが、メトトレキサート(MTX)とリツキシマブ(抗CD20抗体)の使用例では、コロナワクチン1回接種後の抗体陽転率が低かったものの、抗CD20抗体を除き、2回接種により改善することが示されたと報告しました。
オランダで実施されている2件の前向きコホート研究から、リウマチ性疾患患者、多発性硬化症患者、健康対照のデータを抽出。2021年4月1日〜 6月26日にコロナワクチンを1回以上接種した人から条件を満たす、自己免疫疾患群632例(リウマチ性疾患574例、多発性硬化症58例)、健康対照群289例、全体の平均年齢は63歳、女性が67%を抽出して、抗体陽転率およびIgG抗体価との関係が検討されしました。
免疫抑制薬の内訳は、MTX 35%、TNF阻害薬(アダリムマブ、エタネルセプト、セルトリズマブ、ゴリムマブ、インフリキシマブ)22%、抗CD20抗体(リツキシマブ、オクレリズマブ)4%、非使用20%でした。 接種したワクチンの種類は、アストラゼネカ製が自己免疫疾患群54%、健康対照群59%、ファイザー製がそれぞれ38%、37%、モデルナ製が8%、2%、ヤンセンファーマ製が0%、1%でした。
コロナ非感染例におけるワクチン1回接種後の抗体陽転率は、健康対照群の73%に対して自己免疫疾患群で49%と有意に低く、特にMTX使用例で30%と抗CD20抗体使用例で6%と顕著でした。 IgG抗体価も、健康対照群の8.1AU/mLに比べ自己免疫疾患群で3.9AU/mLと低かった。 一方、ワクチン2回接種後の抗体陽転率は両群でほぼ同等の95%と92%、抗CD20抗体使用例の43%を除き、MTXなど他の免疫抑制薬使用例で軒並み80%を超えていた。 IgG抗体価は健康対照群の86.7AU/mLに比べ自己免疫疾患群で48.6AU/mLと低かった。
それに対し、コロナ感染例においては、ワクチン1回接種後の抗体陽転率は健康対照群で97%、自己免疫疾患群で96%であり、抗体陽転率、IgG抗体価のレベルともに両群で2回接種後の非感染例と同等だった。
以上の結果を踏まえ、Boekel氏は医師はMTX、抗CD20抗体の使用例ではワクチンの免疫原性が損なわれることを十分に認識しつつ、そうした患者に対する2回目のワクチン接種を遅らせるべきではないとしました。
この研究報告は8月6日に、英国の医学誌 Lancet Rheumatology のオンライン版に掲載されました。
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【2021.7.8】MTXで新型コロナワクチンの効果減弱?
またしてもショッキングなタイトルのニュースですが、落ち着いて読んでください。 まず最初にお伝えすることが2点あります。
1.これは関節リウマチではなく、乾癬の患者さんでの調査結果です
2.抗体陽転率(体液性応答)が低くても、ワクチンが無効ということではなく、接種後の患者さんのT細胞は反応性(細胞性応答)を示しました
では、以下に細かいところをお伝えします。
新型コロナワクチンの臨床試験免疫抑制薬では、治療中の自己免疫疾患患者は除外されていたため、メトトレキサート(MTX)とワクチンの免疫原性の関係についてはいまだ不明点が多いです。 イギリスのロンドン大学キングス・カレッジ(King's College London)のSatveer K. Mahil氏は、メトトレキサート(MTX)および生物学的製剤で治療中の乾癬患者におけるファイザー製メッセンジャーRNAワクチンであるトジナメラン1回接種後の免疫応答を調査しました。 MTXを投与中の患者では抗体価が低下したと報告しました。
ワクチンの効果が全く無くなるということではなく、抗体陽転率は必ずしもワクチンの有効率を意味しないので、抗体陽転率だけで判断しないほうがいいよ、という話のようです。 MTXは体液性免疫を弱めたが、細胞性応答は維持されたそうです。
この研究成果は7月8日に英国の医学誌 Lancet Rheumatology のオンライン版に掲載されました。
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【2021.5.24】抗TNFα製剤で新型コロナワクチンの効果減弱?
一見ショッキングなタイトルのニュースですが、落ち着いて読んでください。 まず最初にお伝えすることが2点あります。
1.これは関節リウマチではなく、炎症性腸疾患(IBD)の患者さんでの調査結果です
2.2回目の接種を本来の予定通り3週間後にすれば良好な効果が得られるそうです
では、以下に細かいところをお伝えします。
これはイギリスのロイヤルデボンアンドエクセターNHS財団トラスト(Royal Devon and Exeter NHS Foundation Trust)のNicholas A.Kennedy氏らが発表した論文です。
昨年の9月22日〜12月23日にイギリスの病院でIBDの患者さんについて、インフリキシマブ(レミケード等)を使った患者865名とベドリズマブ(関節リウマチでは使いません)428名をについて、ファイザーとアストラゼネカのワクチン接種後のコロナスパイク蛋白に対する抗体の濃度を比較する調査が行われました。
インフリキシマブを使った人では、1回目接種から3〜10週後に測定したSARS-CoV-2スパイク蛋白質に結合する抗体の濃度が低く、セロコンバージョン率(抗SARS-CoV-2抗体の陽性率)はファイザー27.1%、アストラゼネカ20.2%でした。 ベドリズマブを使った人ではそれぞれ74.7%、57.3%でした。
過去にCOVID-19に感染した経験のある人の1回目接種後ではセロコンバージョン率はインフリキシマブを使った人では81.7%。 ベドリズマブを使った人では97.1%。ファイザーでの
2回目の接種後のセロコンバージョン率はインフリキシマブを使った人では85%。ベドリズマブを使った人では86%。
つまり、どちらのワクチンについても接種後のセロコンバージョン率は、過去にCOVID-19感染歴がある患者、およびファイザー製ワクチンを2回接種した人で高い結果となりました。
ファイザーの1回目と2回目の接種の間隔は、日本では3週間、アメリカでは3〜4週間の間隔ですが、イギリスでは、多くの人々に1回目の接種を行うために間隔が最大12週間まで広げられているという事情もあり、この研究調査が有意義なものとなったのだと思います。
結論としては「インフリキシマブを使用中の患者に対しては、2回目の接種を遅らせるべきではない」ということだそうです。
この研究成果は4月26日に、英国の医学雑誌 Gut のオンライン版に掲載されました。
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