リウマチャーの用語集
用語 | 意味 | 英語 | |
さ | サイトカイン
さいとかいん |
免疫担当細胞が作るタンパク質の総称。細胞相互の情報伝達をする役割を持ち、免疫反応を調節したり、免疫担当細胞を活性化または増加させる。細胞という意味のcytoと、作動因子という意味のkineの造語。体内に数百種類ある。サイトカイン(byアステラス)りうまちって何だろう、サイトカイン(byみけこの空中庭園) | cytokine |
細胞傷害性T細胞 さいぼうしょうがいせいTさいぼう |
キラーT細胞、CTL。 T細胞の一種で、T細胞のひとつ。 細胞表面に抗原CD8を発現していて、CD8陽性T細胞、CD8リンパ球とも呼ばれる。 抗原に感染した細胞や癌細胞を直接破壊する。 マクロファージのMHCクラス1分子から情報を得て、B細胞にその異物を抗原とする抗体を作らせる。りうまちって何だろう、T細胞(byみけこの空中庭園) | cytotoxic T lymphocyte/killer T cell | |
作集療法 さぎょうりょうほう |
OT。日常生活や仕事や趣味などの動作を取り入れた訓練により、筋力や関節可動範囲の維持・改善を図る療法。自助具や装具の作成も行う。リハビリテーション作業療法 | occupational therapy | |
作集療法士 さぎょうりょうほうし |
OTさん。国家試験により厚生大臣の免許を受け、医師の指示の下に作業療法を行う人。日本作業療法士協会 | occupational therapist | |
左右対称 さゆうたいしょう |
→対称性関節腫脹 | ||
サプレッサーT細胞 さぷれっさーTさいぼう |
1960年代後半ごろより、免疫反応を抑制するT細胞として多田富雄氏による理論が提唱され、研究されてきたが、現在ではその存在について否定的な見解が主流となっており、1990年代半ばに坂口志文氏により発見された制御性T細胞に取って代わられている。 両者の違いは、サプレッサーT細胞はCD8陽性、制御性T細胞はCD4・CD25陽性であること。 | suppressor T cell | |
し | シェーグレン
しぇーぐれん |
Henrick Sjogren(1899-1986)。スウェーデンの眼科医。1933年に後にシェーグレン症候群とされた糸状角膜炎に関する論文を発表。ちなみにSjogrenの「o」はドイツ語のウムラウト。 作曲家のエミル・シェーグレンのことではない。 |
Sjogren |
シェーグレン症候群
しぇーぐれんしょうこうぐん |
1933年にシェーグレンが発表した症候群。主に涙腺や唾液腺に慢性の炎症(慢性唾液腺炎・乾燥性角結膜炎)が起こって機能が低下し、涙や唾液が不足して乾燥症状が出る病気。さらに全身の外分泌腺に症状が及ぶこともある。自己免疫疾患で、膠原病の1つ。膠原病の合併がみられない原発性と、関節リウマチや全身性エリテマトーデスなどの合併症としての二次性がある。まだ一部の自治体(北海道・富山県・東京都)でしか特定疾病に指定されていない。シェーグレン症候群情報サイト、シェーグレン症候群(by難病情報センター) | Sjogren's syndrome | |
ジェネリック じぇねりっく |
後発医薬品。医薬品の特許が切れた後に、他の会社が製造または供給する医薬品。先発の新薬は先発医薬品と呼ばれる。一般的に、先発医薬品に比べて薬価が安いというメリットがあるが、先発医薬品と有効成分は同じでも、添加物が違うなどの微妙な差があるため、使用する人によってはなんらかの差異が現われる可能性がある(たとえばアレルギーが起きる場合も考えられる)というデメリットもある。かつてはゾロ薬という俗称で呼ばれることもある。ジェネリック医薬品情報サイト「かんじゃさんの薬箱」(by日本ジェネリック医薬品学会) | generic | |
支援費制度 しえんひせいど |
2003年4月に施行され、2006年4月に障害者自立支援法へ移行した。障害者への福祉サービス全てにおいて、障害者自身がサービス提供者を自由に選択し、契約によってサービスを利用する制度。(支援費制度以前の障害者に対する福祉サービスは、利用する施設やサービス内容を行政側が決定する措置制度だった。) | ||
障害者自立支援法 しょうがいしゃじりつしえんほう |
2006年4月に支援費制度から移行し、2009年度9月の連立政権合意でこれを廃止し制度の谷間がなく利用者の応能負担を基本とする総合的な制度をつくることとされた、2012年の改正で「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(通称:障害者総合支援法)」の題名に改題されたシステム的には介護保険と良く似ているが、年齢による制限はなく、身体障害者・知的障害者・精神障害者・障害児を対象とし、2013年4月の改正では障害者の範囲に難病等が加わった。。サービス体系は自立支援給付(介護給付、訓練等給付)と地域生活支援事業からなる。利用者が自治体に支給を申請し、自治体の指定を受けた指定事業者・施設を選択し利用契約を結びサービスの提供を受ける、利用者負担額を事業者・施設に支払う、事業者・施設がサービスの支援費を自治体に請求し、自治体が支援費を支払う、という流れは以前の制度と変わりないが、応能負担から応益負担への変更で給付は原則9割で1割が自己負担(世帯の所得等によって上限を設定)となったことが大きな問題と言われている。 他にも、自治体へのしわ寄せによる格差の発生、障害区分の認定法が不適当、お金がなければ必要な支援が受けられない、作業所での賃金と自己負担が上回る例の多発、などやはり多くの問題を抱えている。 障害者自立支援法、障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律、障害福祉サービス等(by厚生労働省) | ||
自家骨移植 じかこついしょく |
関節や骨の手術を行う際に、欠損部分の補充や補強のため、自分自身の他の部分の骨を移植すること。 | autologous bone graft | |
シクロオキシゲナーゼ-1 しくろおきしげなーぜ1 |
→COX1 | cyclooxygenase-1 | |
シクロオキシゲナーゼ-2 しくろおきしげなーぜ2 |
→COX2 | cyclooxygenase-2 | |
シクロオキシゲナーゼ-3 しくろおきしげなーぜ3 |
→COX3 | cyclooxygenase-3 | |
シクロオキシゲナーゼ-阻害薬 しくろおきしげなーぜ2そがいやく |
→COX2阻害薬 | cyclooxygenase-2 inhibitors | |
自己血輸血 じこけつゆけつ |
自分の血液を輸血すること。人工関節置換術などの出血量が多く輸血が必要な手術で採用される。前もって自分の血液を採取し保存しておいて、手術中や術後に輸血する貯血式自己血輸血と、術後の創部からの出血を貯めておいて輸血する術後回収式自己血輸血がある。輸血による免疫反応や新たな感染症等の副作用を防止できる利点がある。緊急の手術は対象にならない。 | autologous blood transfusion/autotransfusion | |
自己抗原
じここうげん |
体の成分でありながら、自己抗体の標的となる可能性のある抗原。免疫が正常な状態では自己抗原を攻撃する抗体はほとんど作られないが、自己免疫疾患では自己抗体が作られてしまう。関節リウマチでは免疫グロブリンIgG。りうまちって何だろう、免疫の異常(byみけこの空中庭園) | autoantigen/self-antigen | |
自己抗体
じここうたい |
体の成分にである自己抗原を攻撃する抗体。免疫が正常な状態では自己抗原を攻撃する抗体はほとんど作られないが、自己免疫疾患では自己抗体が作られてしまう。関節リウマチではリウマトイド因子。りうまちって何だろう、免疫の異常(byみけこの空中庭園) | autoantibody/self-antibody | |
事後重症 じごじゅうしょう |
障害年金の障害認定日において1級または2級の障害の状態に該当しない場合であっても障害認定日から65歳に達する日の前日までの間に1級または2級の障害の状態に該当するに至ったときは、65歳までに請求を行えば障害年金が支給される制度。 | ||
自己免疫 じこめんえき |
自己の体の成分に対して免疫反応が起きてしまうこと。その結果、正常の組織が攻撃されて病気が起こることがある。膠原病をはじめとする自己免疫疾患は、自己免疫が病気に深く関係していると考えられるが、必ずしも病気が起こるわけではなく、なぜ自己免疫疾患が起こるかはまだ解明されていない。 | autoimmunity | |
自己免疫疾患
じこめんえきしっかん |
免疫に何らかの異常が起こって、自己抗原(自己のの組織や細胞)に対する免疫反応が起こり、その結果として起こる病気の総称。1つの臓器の組織に対して自己抗体が作られ、組織障害が1つの臓器に限られている臓器特異的自己免疫疾患と、体に広く分布している抗原に対して抗体が作られ、多臓器にわたる障害が起こる全身性自己免疫疾患があり、膠原病は全身性自己免疫疾患に属する。ただし、全身性自己免疫疾患は、自己抗体だけで病気が起こっているだけではなく、自己抗体がどのように病気に関係しているかはまだ不明。 | autoimmune disease | |
自助具
じじょぐ |
日常生活関連の様々な動作を行うときの不自由さを補い、痛みをなるべく少なく関節を保護しながら、動作を自分でできるように工夫した道具。市販されている商品がそのままで役に立つ場合もあるが、困リ方は人によって違い、使いやすいものがない場合はオーターメイドでの作製が必要になる。リウマチャーのリンク集の自助具マークのサイト | self-help device | |
自然免疫
しぜんめんえき |
先天性免疫。 生まれながらに備わっている免疫。 侵入してきた病原体や異常な自己細胞を素早く(数時間単位で)感知し、それを排除する免疫の仕組み。 主に好中球やマクロファージ、樹状細胞などの食細胞の働きによる。 | innate immunity/natural immunity | |
疾患修飾性抗リウマチ薬 しっかんしゅうしょくせいこうりうまちやく |
→抗リウマチ薬 | disease modifying antirheumatic drugs | |
指導医 しどうい |
日本リウマチ学会が認定。日本リウマチ学会の専門医(旧:認定医)で、さらに教育施設での勤務経験・学会の評議員であることが必要。 | ||
児童扶養手当 じどうふようてあて |
父が身体障害者手帳1、2級程度の障害者(内部障害は就労不能状態)、父母が離婚、父が死亡または生死不明などの状態にある児童が18歳の年度末(3月31日)になるまでの、児童を扶養している母または養育者に定期的に支給される手当。ただし、児童が施設に入所している場合、児童または母、養育者が公的年金(老齢福祉年金を除く)を受けている場合、児童が父に支給される公的年金の給付額の加算の対象になっている場合は対象にならない。本人・配偶者・扶養義務者の所得制限がある。窓口は市区町村役所の保健福祉課など。 | ||
社会福祉協議会
しゃかいふくしきょうぎかい |
社会福祉法に定められた、営利を目的としない民間組織である社会福祉法人。すべての市区町村、都道府県・指定都市および全国段階に設置され、そのネットワークにより活動を進めている。内容は多彩で、たとえば障害者の在宅生活を支援するためのホームヘルプサービスや、家事援助、外出介助、朗読、代筆などの様々なサービスを提供したり、福祉サービスの利用の支援も行っている。社会福祉法人全国社会福祉協議会 | ||
社協 しゃきょう |
→社会福祉協議会 | ||
尺側偏位 しゃくそくへんい |
関節リウマチによる手の変形の1つ。小指から人差し指のMP関節の亜脱臼や破壊で、指を伸ばす腱(伸筋腱)が本来の位置から尺側(尺骨の側)へずれて滑り落ち、指が尺側へ流れるように向くこと。手指の変形と体操(byみけこの空中庭園) | ulnar deviation | |
若年性関節リウマチ
じゃくねんせいかんせつりうまち |
→若年性特発性関節炎 | juvenile rheumatoid arthritis | |
若年性特発性関節炎
じゃくねんせいとくはつせいかんせつえん |
従来「若年性関節リウマチ」と呼ばれていた、16歳以下の子どもに発症する関節リウマチ。全身型(スティル型)、多関節炎型、少関節炎型の3つの型があり、それぞれ症状や経過が異なる。リウマトイド因子は陰性の場合が多い。成長途中なので、成人の場合と同じ薬全てを使えるわけではない。学校生活への援助や心理面でのサポートが重要。JIA(JRAから変更された)。 | juvenile idiopathic arthritis | |
尺骨 しゃっこつ |
前腕の2本の骨の1つ。小指側(前腕内側)にあり、橈骨(とうこつ)と平行している管状の長骨。尺骨(by船戸和弥のホームページ) | elbow bone/ulna | |
重度心身障害者医療
じゅうどしんしんしょうがいしゃいりょう |
身体障害者手帳1、2級(内部障害は3級まで)を所持し、かつ健康保険に加入している人に対して、健康保険の医療費の自己負担分を助成する制度。この制度を利用するには健康保険に加入していなければならない。市区町村役所の障害福祉課へ申請が必要。支給方法は自治体によっていろいろで、医療機関での支払いが発生しない場合もあれば、いったん自己負担額を支払った後に申請で支給される場合もある。また、世帯の収入により一部自己負担額があることもある。窓口は市区町村役所の保険福祉課など。 | ||
重度身体障害者医療 じゅうどしんたいしょうがいしゃいりょう |
→重度心身障害者医療 | ||
手術療法 しゅじゅつりょうほう |
→外科療法 | ||
樹状細胞 じゅじょうさいぼう |
免疫担当細胞の1つ。周囲に樹状の突起が伸びた形をしている。マクロファージと同様にヘルパーT細胞に情報を提示する働きをしていて、そのような働きをする細胞のうちでは最も強力であるとされている。白血球のうち単求が分化したものと考えられている。 | dendritic cell | |
主婦無年金 しゅふむねんきん |
国民年金において、1986年(昭和61年)3月以前の、主婦すなわち被用者(厚生年金、共済組合等の加入者)の配偶者が任意加入(加入してもしなくても良い)の時代に、加入していなかった間に初診日のある人が障害基礎年金を受給することができないこと。2005年4月1日より、特別障害給付金が創設されたが、金額は障害基礎年金より少なく、過去にさかのぼっての支給もなく、完全に公平になったとは言えない。無年金障害者の会 | ||
腫瘍壊死因子 しゅようえしいんし |
→TNF | tumor necrosis factor | |
障害基礎年金
しょうがいきそねんきん |
国民年金加入中または受給待機中に初診日のある病気やケガにより、65歳までの障害認定日に1級・2級に該当する障害となった場合、または20歳前に初診日のある病気やケガにより、20歳に達したときあるいは障害認定日に1級・2級に該当する障害となった場合に支給される年金。原則として初診日の属する月の前々月までに被保険者期間があるときは、その被保険者期間に係る保険料納付済期間と保険料免除期間とを合算した期間が被保険者期間の3分の2未満であるときは支給されない。ただし特例などがあるので、よく確かめる必要がある。20歳前に初診日がある場合、本人の所得制限あり。関節リウマチの場合は障害の状態に至るまでの期間が長いので、障害認定日に認定されることは少なく、事後重症での認定が多いと考えられる。申請窓口は住所地の区市町村役場の国民年金担当課。なお兼ねてよりの無年金の問題は、2005年4月からの特別障害者給付金で一部救済されることになったので、今まで無資格と言われていた人は再度確認してください。障害基礎年金(by酒井かずみのなぜなに年金相談) | basic pension for the disabled | |
障害共済年金
しょうがいきょうさいねんきん |
共済組合の加入中に初診日のある病気やケガにより、65歳までの障害認定日に1級〜3級に該当する障害となった場合に支給される年金。公務等による障害とよらない障害で給付額に差がある。関節リウマチの場合は障害の状態に至るまでの期間が長いので、障害認定日に認定されることは少なく、事後重症での認定が多いと考えられる。1級または2級に該当する場合は障害基礎年金も支給される。申請窓口は各共済組合。 | ||
障害厚生年金
しょうがいこうせいねんきん |
厚生年金保険の加入中に初診日のある病気やケガにより、65歳までの障害認定日に1級〜3級に該当する障害となった場合に支給される年金。関節リウマチの場合は障害の状態に至るまでの期間が長いので、障害認定日に認定されることは少なく、事後重症での認定が多いと考えられる。1級または2級に該当する場合は障害基礎年金も支給される。申請窓口は社会保険事務所。障害厚生年金(by酒井かずみのなぜなに年金相談) | ||
障害児福祉手当 しょうがいじふくしてあて |
重度の障害があるため、日常生活に常時の介護を必要とする20歳未満の人で、身体障害者手帳の1・2級の一部、療養手帳(愛の手帳)の1・2級程度で、かつそれらが重複している人、あるいはこれらと同等の疾病・精神障害の人に定期的に支給される手当。ただし、施設に入所している人、障害を理由とする公的年金を受けている人は対象にならない。本人・配偶者・扶養義務者の所得制限がある。窓口は市区町村役所の保健福祉課など。 | ||
障害者手帳 しょうがいしゃてちょう |
→身体障害者手帳 | ||
障害手当金 しょうがいてあてきん |
障害の状態が障害厚生年金の障害等級表に該当しない場合に、支給される一時金。受給要件は障害厚生年金に準ずる。他の公的年金の給付を受けているときは支給されない。いちど障害手当金を受給してしまうと、その後に障害の程度が障害年金に該当する程度に悪化しても、同一の障害について年金の給付を受けることはできなくなってしまうので注意が必要。関節リウマチの場合は悪化の可能性が高いので、よほどせっぱ詰まっていない限り、請求について慎重に検討したほうがいい。障害手当金(by酒井かずみのなぜなに年金相談) | ||
障害認定日
しょうがいにんていび |
障害年金の受給申請で、初診日から1年6カ月を経過した日またはそれ以前で症状が固定した日。 | ||
障害年金 しょうがいねんきん |
障害基礎年金・障害厚生年金・障害共済年金。初診日に加入していた年金制度から支給される年金。障害程度の等級は身体障害者手帳の等級とは別で、審査はけっこうきびしい。書類がそろわないなどの理由で申請できなかったり、却下される場合も多い。障害認定に関する情報開示は不十分。旧制度の障害年金と新制度の障害年金が併存しているうえ、法改正が何度も行われており、制度がとても複雑でわかりにくい。国民年金の障害基礎年金には無年金の問題もあり、2005年4月からの特別障害者給付金で一部救済されたが、まだ完全に公平になったとは言えない。また、身体障害者手帳の申請とは全く別の制度であり、別途申請しなければ受給できないことに気づかず、受給もれも多いと考えられる。障害年金(by社会保険庁)、厚生省年金局年金財政ホームページ、障害年金の手引(by藤原年金研究所)、障害年金サポートセンター(byハロー年金サービスセンター) | ||
食餌療法 しょくじりょうほう |
治療のため食事内容や食事法を改善・調節する治療法。関節リウマチでは食事が病状に直接影響するということはない。しかし、療養生活が長期に及ぶこと、薬が胃腸を傷めている場合も少なくないので、ごく普通にバランスのとれた、良質のタンパク質とカルシウムを充分に含んだ消化の良い食事を心がけると良いと言われている。特別な食品を採ったり、特定の食品を避けたり、危険な絶食などをする必要はない。ただし、薬との組み合わせで避けるべき食品はあるので、医師や薬剤師によく確かめること。合併症や他の病気がある場合は、その食餌療法に従うこと。 | dietary care | |
食事療法 しょくじりょうほう |
→食餌療法 | ||
初診日 しょしんび |
障害年金の受給申請で、障害の原因となった病気やケガについてはじめて医師にかかった日。認定にはこの初診日の証明がとても重要で、カルテが残っていないなどの理由で初診の証明書がとれなければ、受給はかなり難しい。関節リウマチの場合、治療期間が長期にわたるため初診日の証明が難しくなっている場合が多いという問題がある。カルテの記録が基本だが、念のため初診日の証明ができるような診断書を取っておき、診察券や薬袋なども保存しておこう。 | ||
処方せん
しょほうせん |
医師や歯科医師が診察して、治療に必要な薬の種類や、量、飲み方などを記入した用紙。有効期間は発行日を含めて4日間、代理の者が持って行っても調剤してもらえる。 | prescription | |
処方箋
しょほうせん |
→処方せん | prescription | |
心因性リウマチ しんいんせいりうまち |
1.線維筋痛症候群の古い呼び方。→線維筋痛症
2.関節リウマチとの痛みを「気のせいだ」とあしらうこと時に使われる言葉。関節リウマチに関する知識に乏しい周囲の人から、あるいは検査の数値で把握できないときに医師からしばしば吐かれる言葉。このような言葉は当然のことながら患者を精神的に苦しめる。膠原病に線維筋痛症候群が併発することもあるが、「気のせい」と線維筋痛症候群とはまったく別の次元。 デタラメ度90% |
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腎機能 じんきのう |
薬の副作用や関節リウマチそのものによって腎臓の機能が低下することがある。尿検査で尿蛋白定量、潜血反応、血液検査で尿素窒素、クレアチニンなどの腎機能を定期的に検査し、異常があればより詳しい検査をすることが大切。 | renal function | |
伸筋腱断裂
しんきんけんだんれつ |
手指を伸ばす働きをする伸筋腱が切れて、指を伸ばせない状態。関節リウマチでは腱自体の周りの腱鞘の炎症や、手関節の炎症や変形のために摩擦が起きて切れやすくなる。 | tendon rupture | |
人工関節
じんこうかんせつ |
機能を失った関節と置き換える人工の関節。関節部をまるごと入れ替えるわけではなく、関節の表面のすり合う面を再建するために、関節の表面だけを取り替えて軟骨部分の代用をする形状が基本。形の違い、骨と人工関節の固定方法(セメント固定・ノンセメント固定)と表面の素材(金属・ポリエチレン・セラミックの取り合わせ)の違い、によって様々な種類のものが開発されている。膝、股関節が代表的で、最近は肘、肩関節などでも成績が向上してきている。手首、足首、手指などでも開発されてきているが長期的な成績はまだ不明。関節の一部を人工物で置き換えること自体は1930年代から始まったが、本格的な実用が始まったのは1970年代の股関節から。耐用年数はかつては10年が限度と言われたが、現在では30年程を目指した人工関節も開発されている。ただし、個人差もあり、使用してみないと実際のところはわからない。人工関節はどこまで進歩したか(by大阪立大学医学部医学情報センター)、新しい人工膝関節の開発(by松山赤十字病院リウマチセンター) | artificial joint | |
人工関節置換術
じんこうかんせつちかんじゅつ |
機能を失った関節を人工関節と置き換える手術。関節リウマチでは膝、股関節が代表的。利点は痛みがとれる、支持性ができる、動かせなかった関節を動かすことができるようになる、下肢なら歩くことができるようになるなど。欠点は関節を曲げられる角度が自然の場合より浅いこともある、磨り減りやゆるみが起こる、脱臼しやすい、感染に弱い、耐用年数が未知であることなど。下肢の手術後には歩きすぎに気をつけ、等尺性運動などによる筋力強化訓練を欠かさないこと、脱臼を招くような姿勢をとらないこと、なるべく傷を作らないようにし、できた傷は早く治療して化膿させない、風邪などの感染を避けるなど感染の予防に気をつけることなどが注意点。人工関節手術について(by松山赤十字病院リウマチセンター)、リウマチャーのリンク集の人工関節マークのサイト | artificial joint replacement | |
靭帯 じんたい |
関節の骨と骨の間および関節の周囲に張り巡らされているひも状または帯状の結合組織。それ自体が収縮することはないが弾性があり、強力な復元力で関節の形を保ち補強している。 | ligament | |
身体障害者手帳
しんたいしょうがいしゃてちょう |
身体に障害を持つ人が、各種の援護を受けるために必要な手帳。身体障害者福祉制度に基づき、1〜6級の等級の障害を持つ人に交付される。障害年金に比べて審査は緩やかで、初診日などの制限もない。障害の程度が変わったときや、新たな障害が加わったときは申請しなおして等級を変更できる。窓口は、居住地の福祉事務所または市町村役場の福祉課など。公的な援護としては手当金の支給や医療の提供をはじめとして、所得税・住民税・自動車税の障害者控除、公共料金の割引など範囲は広く、民間の施設や費用の割引もかなりある。最近では携帯電話料金の割引が画期的。メリットは多いが、デメリットはないと思われ、リウマチャー必携。ただし、等級は痛みに対してではなく、動かないことに対して認定されるので、関節リウマチではかなり不利。動かなくなってからではなく、初期からの援護を望みたい。赤い手帳とも呼ばれるが、自治体によっては赤くない場合も多い。なお、人工関節置換術によって等級が低くなってしまうということはないが、窓口の係員がそのような勘違いをしている場合があるので注意を要する。 | physical disability certificate | |
診断基準
しんだんきじゅん |
関節リウマチの診断はなかなか難しく、基準もいろいろある。 また、診断そのものではなく、病気のの活動性や治療の効果などをチェックする指標もある。 どんな基準も完全ではなく、条件がそろわないからといって、絶対に関節リウマチではないとは言い切れない。 くわしくは関節リウマチの診断基準や指標のいろいろを参照。 | diagnostic criteria | |
診療ガイドライン
しんりょうがいどらいん |
特定の臨床状況において、適切な判断を行うため、臨床家と患者を支援する目的で系統的に作成された文書。(米国医学研究所 Institute of Medicineによる定義と定義) 国内では公益財団法人日本医療機能評価機構の医療情報サービス事業Mindsが、近年の国際的動向を踏まえて、「診療上の重要度の高い医療行為について、エビデンスのシステマティックレビューとその総体評価、益と害のバランスなどを考量して、患者と医療者の意思決定を支援するために最適と考えられる推奨を提示する文書」という定義を提示している。 診療ガイドラインとは 関節リウマチについては関節リウマチ診療ガイドラインを参照。 |
medical_guideline | |
す | ステージ すてーじ |
関節リウマチによる、関節破壊の進行度。X線検査の所見によって、ステージ1=初期(骨・軟骨の破壊はないが、骨粗しょう症がみられることがある)・ステージ2=中等度(骨粗しょう症があり、軟骨のすぐ下の骨の破壊がみられることもある、関節の変形はないが、関節周辺の筋肉に萎縮がある)・ステージ3=高度(骨粗しょう症に加えて、骨・軟骨の破壊があり、関節の変形や亜脱臼がある、筋肉に強度の萎縮がみられる)・ステージ4=末期(ステージ3までの症状に加えて、強直がある)の4段階に分かれる。 | stage |
ステップダウンブリッジ方式
すてっぷだうんぶりっじほうしき |
関節リウマチにおける薬物療法の方式の1つ。治療の初期から抗リウマチ薬やステロイド薬を積極的に使ってリウマチを押さえ込み、その後少しずつ強い薬を減らしていく治療方針。従来のピラミッド方式とは逆の考え方で、早期の段階から強力な抗リウマチ薬を併用して、関節破壊などの非可逆変化をできる限り阻止する。抗リウマチ薬の効果が現れるまでの期間、その間の橋渡しの役目を果す薬として速効性のステロイド薬か非ステロイド系消炎鎮痛薬を使い(=bridge)、様子をみながら少しずつ減量して抗リウマチ薬だけの使用にに移行させていく(=step down)。この方法はアメリカでは1990年代から一般的な治療となり、日本でも2004年発行の厚生労働省の関節リウマチの治療ガイドラインで、この方式が推奨された。慢性関節リウマチ(by光中央診療所) | step-down bridge method | |
ステロイド すてろいど |
副腎皮質ステロイドホルモン。ステロイドと言う場合、通常は副腎の皮質の束状層から分泌される糖質コルチコイドを指す。人体に本来から存在しており、恒常性の維持やストレスの対応に最も重要なホルモン。薬物治療で使用するのは、これを合成的に作り出した糖質コルチコイド製剤。副腎皮質の働きが悪くなった場合に補うための補充療法、または抗腫瘍作用、抗炎症作用、免疫抑制作用、抗アレルギー作用、抗ショック作用などを利用する薬理療法で使用される。関節リウマチを含む膠原病に対しては薬理療法で、すばやく痛みや腫れを鎮め、病気そのものをある程度はコントロールすることができる。このホルモンは1つで多くの働きを持つこと、受容体が全身にあること、などから作用と同時に望まない副作用も出てしまうので慎重に使用しなければならない。また、長期に使用していると副腎が休止状態になるので、急に中止すると副腎不全が起こりたいへん危険なので、勝手に増減したり、中止したりしないで、必ず医師の指示に従うこと。ステロイド、ステロイド薬(by三和化学研究所) | corticosteroid/steroid | |
スプリント すぷりんと |
元々は添え木の意味。関節リウマチでは、主に上肢、手指の変形を防ぐために固定したり、関節を保護する目的で使用する。装具の一種として考えてよい。 | splint/brace | |
スワンネック変形
すわんねっくへんけい |
関節リウマチによる手指の変形の1つ。PIP関節が伸び、DIP関節が屈曲して、白鳥の首のような形に見える変形。原因は主にMP関節が亜脱臼で曲がってしまうことによる。ボタンホール変形とは反対に曲がった状態。スワンネック変形の図 | swan neck deformity | |
せ | 生活習慣病
せいかつしゅうかんびょう |
関節リウマチは生活習慣病ではない。デタラメ度50% 生活習慣病とは、1996年、厚生(労働)省が、それまでの「成人病」に替わる概念として導入した概念。加齢によってかかりやすくなる疾病であるという成人病の概念を改め、生活習慣を見直すことによって予防できる病気として扱い、予防を重視した対策に取り組む方針となった。正式には「食習慣、運動習慣、休養、喫煙、飲酒等の生活習慣が、その発症・進行に関与する疾患群」という。糖尿病、高血圧、ガン、脳卒中、心筋梗塞などをはじめとして、先天性の疾患を除くあらゆる疾患が含まれている。 病気になる原因は1つではないのに、この生活習慣病という言葉によって、あたかも全てが罹患した人の責任であるような誤解が生じること、患者の自業自得であるとの差別が生まれることがあってはならない。 |
life-style related disease |
生活の質 せいかつのしつ |
→QOL | quality of life | |
制御性T細胞 せいぎょせいTさいぼう |
Treg。 レギュラトリーT細胞。 ヘルパーT細胞の一種。 抗炎症性サイトカインのIL-10を産生することで免疫応答を負に制御することで過剰な免疫反応を抑制する。 Tregは胸腺内で自然に発生する内在性Treg(naturally occurring regulatory T cell=nTreg)と、末梢組織内でTGF-βなどの刺激により発生する誘導性Treg(inducible regulatory T cell=iTreg)の2種類に大きく区別される。 | regulatory T cell | |
生物学的製剤
せいぶつがくてきせいざい |
生物または生物より採取された物質からつくられる製剤の総称。ワクチン・抗血清類・血液製剤など。関節リウマチの治療では、抗サイトカイン薬を指す。 | biological products | |
生物製剤 せいぶつせいざい |
→生物学的製剤 | ||
セカンドオピニオン
せかんどおびにおん |
第二の意見。診断や治療方針について、現在の主治医とは別の医師や専門医の意見も聞いて、本当に必要な治療を選択しようという考え方。1980年代にアメリカの健康保険会社の医療費削減の目的で始まったが、1990年代には患者自身や人権擁護団体に広く受け入れられて定着した制度になった。日本では制度としては存在しないが、2002年4月からは厚生労働省の広告規制緩和により、医療機関がセカンドオピニオンを実施していることを広告してもよいことになった。より良いセカンドオピニオンを得るには、現在の主治医からのできるだけ多くの医療データをもらい、専門性が高く、経験や情報が豊富で、客観的視点で判断できる医師に意見を聞くべきであり、その逆ではかえって適切な治療から外れてしまう。とはいえ、まだなかなか理想的にはいかないが、まずは医師とよく話し合うこと、つまりインフォームド・コンセントと切り離せない考え方である。医師と話し合わず不信を抱いたままに次々と医療機関を替えてしまうドクターショッピングとは違う。 | second opinion | |
赤沈 せきちん |
→血沈 | erythrocyte sedimentation rate | |
赤血球
せっけっきゅう |
血液中の細胞の1つ。水分とヘモグロビンからできており、ヘモグロビンは肺から体内の細胞へ酸素を運び、 二酸化炭素を受け取って肺まで運ぶ働きをする。血球のなかで最も多く、血液の赤い色は赤血球の色である。貧血とは、赤血球数が減少したり、ヘモグロビンが減少すること。 | erythrocyte/red blood cell | |
赤血球数
せっけっきゅうすう |
赤血球の数。RBC。基準値:男430〜570・女380〜500×10の4乗/μl=男430万個〜570万個/1ml・女380万個〜500万個/1ml | erythrocyte count/red blood cell count | |
赤血球沈降速度 せっけっきゅうちんこうそくど |
→血沈 | erythrocyte sedimentation rate | |
セロネガティブ せろねがてぃぶ |
血清反応陰性という意味で、関節リウマチでは患者であるにもかかわらず、リウマトイド因子の検査が陰性であることを指す。 | seronegative | |
潜血反応 せんけつはんのう |
尿や糞便中などに存在する,肉眼的には認められない程度の赤血球あるいはヘモグロビンを調べる検査。尿においては、尿路系の炎症、結石、腫瘍などや、糸球体腎炎で出現する。 基準値:(-) | occult blood test | |
線維筋痛症 せんいきんつうしょう |
線維筋痛症候群(FMS)。古くは心因性リウマチとも呼ばれたが、関節リウマチとは全く別の病気。全身の痛みを中心とした関節リウマチに似た症状や、激しい疲労感、不眠、頭痛、頻尿、下痢、月経困難、生理不順などの身体症状、悪夢、焦燥感、不安感、憂鬱感などの多様な症状に悩まされる病気。原因は不明。自覚症状があってもさまざまな検査では特別な異常が見つからず、完治させる治療法もほとんど解明されていないため、数多くの患者が適切な治療を受けられないばかりか「気のせいだ」と言われて苦しんでいる。効果が期待される薬は精神科が扱う物が多いため、心因性と呼ばれてきたが、それが誤解と無理解を生んでいると思われる。線維筋痛症(byリウマチ情報センター)、線維筋痛症友の会 | Fibromyalgia | |
全国膠原病友の会 ぜんこくこうげんびょうとものかい |
全国膠原病友の会 膠原病と闘いながらきびしい療養生活を送る者が互いに精神力を養い、苦しみをわかち合い、悩みをうちあけて共に手を取って生き抜くために、1971年に結成された患者会。 | ||
全身性エリテマトーデス ぜんしんせいえりてまとーです |
全身性の自己免疫疾患で、膠原病の一種。発熱や倦怠感、皮膚症状、関節痛をともない、内臓を含む全身の様々な場所に多彩な症状が次々に起こる難病である。原因は不明、完治方法は未発見。患者数は日本で2万〜5万人と言われ、80〜90%が女性で10代後半から30代までの若い女性が多い。特定疾病に指定されている。全身性エリテマトーデス(by難病情報センター) | systemic lupus eryhtematosus | |
先天性免疫 せんてんせいめんえき |
→自然免疫 | innate immunity/natural immunity | |
専門医 せんもんい |
1.関節リウマチに関する専門の医師。登録医、専門医(旧:認定医、定義の2.を参照)、指導医がいる。
2.日本リウマチ学会が認定。2003年4月より、以前の「認定医」から名称が変更された。条件は診療歴・書類審査・研修。 |
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そ | 早期リウマチ診断基準
そうきりうまちしんだんきじゅん |
関節リウマチであると診断する基準の代表的なものにはACRの関節リウマチの分類のための基準があるが、早期には症状や検査結果がそろわず、診断がむずかしいことも多い。そこで1993年に厚生(労働)省が、発症して1年以内の関節リウマチを早期リウマチと定義して、独自の早期リウマチ診断基準を作成した。また、日本リウマチ学会も、1994年に独自の早期リウマチ診断基準を発表した。関節リウマチの診断基準や指標のいろいろ | |
装具 そうぐ |
関節の保護・変形の予防・矯正、痛みの軽減、ぐらつく関節の支持、低下した筋力の補助などを目的として使う道具。義肢装具士または作業療法士によって製作される。身体の状態や症状は常に変化し続けているので、定期的に点検・調整してもらうことが必要。 | appliance | |
ソーシャルワーカー そーしゃるわーかー |
→医療ソーシャルワーカー | social worker | |
足底挿板 そくていそうばん |
→足底板 | ||
足底板
そくていばん |
足の変形や痛みの改善を目的に、足の下に敷く装具の1つ。靴の中敷の形をとることが多い。靴と一体になった靴型装具や室内用のものもある。 | orthotic insole | |
ゾロ薬 ゾロヤク |
→ジェネリック |
一般名 | サラゾスルファピリジン ザルトプロフェン シクロスポリン シクロホスファミド ジクロフェナクナトリウム スリンダク スルファサラジン セルトリズマブ・ペゴル セレコキシブ |
製品名 | サラゾピリン サンディミュン シオゾール ジセレカ シムジア シルクマブ シンポニー スマイラフ セクター セラスター セルタッチ ゼルヤンツ セレコックス セレブレックス ソレトン |
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2022.11.27
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