リウマチャーの用語集
用語 | 意味 | 英語 | |
は | パーシャルレスポンダー ぱーしゃるれすぽんだー |
ある薬剤に関して効果が現れてある程度は改善するものの治療目標に届かない人のこと。同じ薬でも人によって効果の出方が違う。 部分奏功、部分改善。 | partial responder |
バイオ後続品 ばいおこうぞくひん |
バイオ医薬品(抗リウマチ薬の生物学的製剤のほとんどがこの分類に属する)の特許が切れた後に、他の会社が先行薬に似せて製造した薬。ただし、化学合成医薬品のジェネリック(後発医薬品)の場合とすこし事情が違って、バイオ医薬品は生体由来なので、医薬品としての有効性・安全性が先行薬と同一とは限らないため、厚生労働省は、バイオ医薬品の先発を「先行バイオ医薬品」、後発を「バイオ後続品」と名づけており、治験や価格設定についてもジェネリックの場合よりも厳しいものとなっている。バイオシミラー、バイオジェネリック、後発生物製剤とも呼ばれる。 | biosimilar | |
バイオジェネリック ばいおじぇねりっく |
→バイオ後続品 | biosimilar | |
バイオシミラー ばいおしみらー |
→バイオ後続品 | biosimilar | |
肺線維症 はいせんいしょう |
→間質性肺炎 | pulmonary fibrosis | |
白血球 はっけっきゅう |
血液中の細胞の1種で、大きくは顆粒球、リンパ球、単球に分類される。細菌・ウィルス・異物などから身体を守る働きをする 。顆粒球の一種である好中球と単球はこれらを殺す。リンパ球はこれらを自己の体成分ではないと認識し、攻撃するための様々な働きをし、免疫に関わっている。 | leukocyte/white blood cell | |
白血球数 はっけっきゅうすう |
白血球の数。WBC。基準値:3,300〜9,000/μl | leukocyte count/white blood cell count | |
ばね指 はねゆび |
手指を曲げようとしても、まっすぐのままで曲がりにくく、ある程度力を加えるとばねのように急に曲がる現象。屈筋腱の一部が炎症によって太くなり、腱鞘の中をうまく滑らないために起こる。関節リウマチでだけでなく、腱鞘炎や老化でも起こる。弾発指ともいう。 | snapping finger | |
バリアフリー ばりあふりー |
もともとは建築用語で、障壁のないという意味。障害者や高齢者などに配慮して建物の段差や仕切りをなくすなどの配慮。1974年の国際障害者生活環境専門会議で、バリアフリーデザインという報告書を出したころから、この言葉が使われるようになった。現在では、物理的な面だけでなく心理的・社会的な障壁もないという意味で、建築関係以外の各種商品やサービスなどにも広く使われている。バリアフリーが障壁の存在を前提としているのに対してユニバーサルデザインは、障害の有無に関わらず全ての人々にとって利用しやすい。はじめから障壁がないという意味。日本バリアフリー協会 | barrier-free | |
パルス療法 ぱるすりょうほう |
大量の薬を1回に使う方法。膠原病ではステロイドや免疫抑制剤を大量に点滴するパルス療法を行うことがある。病気の勢いが強くて炎症を早急に抑える必要がある時、通常の量の薬では効果が出ない場合に行う。直後には副作用が強く現れるが、長期的には投与量を早く減らせることでトータルでは副作用を軽減できる可能性もあると言われている。入院して慎重に行う必要がある。 | pulse therapy | |
ハローベスト
はろーべすと |
頚椎の関節固定術の前後などに、非常に強力に頚椎を固定するために着用する装具。 | halo vest | |
半減期 はんげんき |
1.生物学的半減期。血中の薬の濃度が、ある量から半分に減少するのに要する時間のことで、血中濃度半減期ともいう。体内から薬が完全に消滅するまでには、半減期の約5倍の時間がかかり、半減期の長い薬は効果も長く続くが、副作用も長く続く。半減期のデータは、健常成人に1回だけ投与して測定したものが多く、長期連続投与の場合や、腎臓や肝臓などに障害のある人では必ずしもそのとおりにならない。
2.素粒子・原子・分子・イオンなどの量が、時間とともに減少する時、初めの半分の量になるのに要する時間。特に放射性核種の崩壊の速さや素粒子の寿命を表すのに用いられる。 |
half-lives | |
パンヌス ぱんぬす |
炎症によって増殖した滑膜の表層組織で、新生血管を伴った肉芽(白血球のかたまり)のこと。軟骨や骨に侵入して破壊すする。りうまちって何だろう、関節の破壊(byみけこの空中庭園) | pannus | |
ハンマートウ はんまーとう |
→槌指 | hammer toe | |
ハンマートゥ はんまーとぅ |
→槌指 | hammer toe | |
ひ | ピア・カウンセリング ぴあかうんせりんぐ |
ピア(=peer)は同等の人、仲間の意味で、同じ背景を背負った人同士が対等な立場で、話を聞きあいカウンセリングを行うこと。1970年代初めにアメリカで始まった自立生活運動の中で障害者の力を互いに活かし合うという概念として生まれ、日本へは1988年にヒューマンケア協会によって紹介された。当事者同士では話しやすく理解しやすい長所があるが、専門家が行うカウンセリングとは違うことを理解し、対等な関係を逸脱したり、共依存関係に陥らないように注意しなければならない。「ピア・カウンセリングはおもしろい」by加藤佐敏先生(byひとしずくの プリズム ページ) | peer counseling |
ヒアルロン酸製剤 ひあるろんさんせいざい |
→関節機能改善剤 | ||
皮下結節 ひかけっせつ |
→リウマトイド結節 | ||
非ステロイド系消炎鎮痛薬 ひすてろいどけいしょうえんちんつうやく |
NSAIDs。ステロイド薬以外で炎症を抑える効果のある薬を指す。痛みを和らげたり、熱を下げる効果があり、関節リウマチ以外でも感冒の症状緩和や頭痛、歯痛、筋肉痛など様々な用途に使われる。多数の種類の薬がある。関節リウマチでは痛みを止めるだけでなく、抗炎症作用の強い鎮痛薬が選ばれ、効果の発現は早いが、変形を止める力はない。非ステロイド系消炎鎮痛薬、非ステロイド性抗炎症薬(by三和化学研究所) | non-steroidal anti-inflammatory drugs | |
ピラミッド方式
ぴらみっどほうしき |
関節リウマチにおける薬物療法の方式の1つ。効果が弱い薬から順番に使い、効果が乏しい場合にはじめてより強い薬を使っていく治療方針で、安全性を重視している。基礎療法をベースにして、初めに第一選択として非ステロイド系消炎鎮痛薬で痛みの緩和を試み、それで効果が効果が乏しければ、第二選択として抗リウマチ薬、さらに第三選択としてステロイド薬や免疫抑制剤に切り換えるという順序で投薬される。非ステロイド系消炎鎮痛薬はベースの一部として引き続き使いつづけることが多い。この方法は1970年代から最近までの一般的な治療で、1997年の厚生(労働)省の関節リウマチの治療ガイドラインでは、この方式が原則となっていた。しかし、その後、関節破壊が初期から起こることがわかってきたことと、非ステロイド系消炎鎮痛薬にはその破壊を止める効果がないにもかかわらず、副作用が案外高い頻度で起ることから、最近ではステップダウンブリッジ方式へ転換してきている。慢性関節リウマチ(by光中央診療所) | pyramid approach | |
ふ | フィブリノイド変性 ふぃぶりのいどへんせい |
フィブリノイドといわれる、主成分が免疫複合体である沈着物を伴う壊死。フィブリノイドという名称はフィブリン(血液を凝固させるもとになる物質)に似たという意味。 | fibrinoid degeneration |
フィラデルフィアカラー ふぃらでるふぃあからー |
頚椎カラーの1種。頚椎の屈局・伸展を制限し、しっかりと固定できる。硬質スポンジで整形されていて あご受けがついている。Philadelphia Cervical Collar Co | philadelphia collar | |
プール療法 ぷーるりょうほう |
プールを利用した運動療法。プールでは、水の浮力により関節や筋肉にかかる体重の重みが大幅に少なくなり、普段は歩行が不可能な人や痛みの強い人でも、比較的楽に歩行訓練ができる。炎症の強いときは避け、感染症に注意し、疲れすぎない上限を守るように注意する。水温は運動量の少ない関節リウマチの人では35℃以上がよいとされる。 | ||
副作用 ふくさよう |
治療・予防などに用いた医薬品の本来の効果と異なる作用。人体に有害な作用であることが多い。どんな薬にも程度の差はあるが、必ず副作用がある。漢方薬にも薬である以上、副作用は当然ある。また、健康食品などで天然の素材だから副作用はないという考え方も危険である。治療ために服用する薬の副作用については、怖いから知りたくないという気持ちもあるかもしれないが、安全のためにあらかじめ知っておきたい。副作用の出方は人によって様々で、同じ薬を同じ量使っても同様ではない。薬を使っていて、何かおかしいと感じることがあればすぐに受診すること。リウマチを知る上で役に立つサイト、薬を知る | side effect | |
副腎
ぶくじん |
腎臓の上に位置する小さな内分泌臓器。皮質と髄質からできており、皮質は外側から網状体・束状体・球状体の三層になっている。通常ステロイドという場合に指される糖質コルチコイドは、束状体から分泌される。、髄質からはアドレナリン、ノルアドレナリンを分泌している。腎臓(byビジュアル生理学)、副腎(byビジュアル生理学) | adrenal gland | |
副腎皮質ステロイドホルモン ぶくじんひしつすてろいどほるもん |
→ステロイド | adrenocortical hormone | |
副腎皮質ホルモン ぶくじんひしつほるもん |
→ステロイド | ||
物理療法 ぶつりりょうほう |
理学療法のつ。温めたり冷やしたり、電気やマッサージなどの物理的手段を利用した治療法。痛みの緩和と循環の改善を目的としている。暖めたほうがいい状態なのか冷やしたほうがいい状態なのかを見極めることが必要。理学療法の中では、運動療法を効果的に行うための補助的な手段と考える。 | physical medicine | |
プラセボ ぷらせぼ |
効果のない偽物の薬。治験での比較試験のために使われる。患者の気休めのために与えられる場合もある。プラセボ(byメルクマニュアル医学情報[家庭版]) | placebo | |
プラセボ効果 ぷらせぼこうか |
プラセボには本来は効果も副作用もないはずなのに、何らかの反応が起こること。心理的な要因によるものとされるが、実際に検査値の変化が現れることがある。また、本物の薬にもプラセボ効果が加わることがある。 | placebo effect | |
プロスタグランジン ぷろすたぐらんじん |
体内で作られるホルモンの様な働きをする物質。炎症、痛み、腫れの調整、血圧、心機能、胃腸機能と消化酵素の分泌調整、腎機能と流動調節血液凝固と血小板凝集、アレルギー反応、神経伝達、各種ホルモンの産生に関係している。非ステロイド系消炎鎮痛薬は最終的には、このプロスタグランジンの生成を妨げて、炎症と痛みを抑えるのが目的である。しかし、プロスタグランジンが抑えられると他の機能も抑えられるため、胃の障害や腎機能の障害、気管支喘息などの副作用が起こることがある。 | prostaglandin | |
プロドラッグ ぷろどらっぐ |
薬そのままでは活性はないが、服用後に身体の中で効果のある形に変換されて効く薬。例えば、胃粘膜が障害されやすい非ステロイド系消炎鎮痛薬のプロドラッグでは、胃からは吸収されずに腸で吸収された後に肝臓で代謝されて効果のある形に変換されてから効果を発揮するしくみである。しかし、血液を介して活性化された成分が胃に達するので、胃への影響を完全に防ぐことはできない。 | prodrug | |
へ | ペイシェント・パートナー・プログラム ぺいしぇんとぱーとなーぷろぐらむ |
専門的トレーニングを受けた患者がインストラクターとなり、病気の経過や医学知識に基づいて生きたリウマチ学教育を学生に行う。学生は診察法を学ぶだけではなく、患者から直接話を聞くことで、関節リウマチを持つことによる身体的、精神的、社会的影響についても同時に学ぶことができる。1970年頃にアメリカのテキサス大学で始まり、1994年からは諸外国にも広がり、日本では2001年から東京女子医科大学で開始された。ペイシェント・パートナー・プログラムとは(byリウマチ・関節炎情報センター)、東京女子医科大学附属膠原病リウマチ痛風センター | patient partner program |
ヘルパーT細胞 へるぱーTさいぼう |
T細胞のひとつ。 細胞表面に抗原CD4を発現していて、CD4陽性T細胞、CD4リンパ球とも呼ばれる。マクロファージや樹状細胞のMHCクラス2分子から抗原の情報を受け取り、B細胞に抗体を作らせたり、細胞傷害性T細胞に抗原に感染した細胞を破壊させたりする。 Th1・Th2・Th17・Tfhのサブセット(種類)があり、Th1はインターフェロンなどをつくり、マクロファージを活性化させ、活性化したマクロファージはTNFやIL-1をつくり、免疫担当細胞を活性化させる。 関節リウマチをはじめとする自己免疫疾患では何らかの理由によってTh1が優位になり、この一連の活性化が不必要に活発に起こっている。 Th17は比較的最近発見され、やはり自己免疫疾患に深く関わりがあると考えられる。りうまちって何だろう、T細胞(byみけこの空中庭園) | helper T cell | |
変形性リウマチ へんけいせいりうまち |
とてもあいまいで謎な言葉。リウマチ性疾患の中で特に関節リウマチを指すのだろうか、あるいは関節リウマチの中の分類を指すのだろうか。関節リウマチである以上、変形の可能性は必ずあり、このような分類はありえない。もちろん、治療が効果的で経過が良ければ、変形が最小限に抑えられる場合はあるが、それは病気の種類の違いではなく、結果に過ぎない。 デタラメ度90 | ||
ほ | ボタンホール変形
ぼたんほーるへんけい |
関節リウマチによる手指の変形の1つ。PIP関節が屈曲し、DIP関節が伸びる変形。指の背側の腱が炎症のために薄くなり、正中策が断裂して穴になり、そこから脱臼したPIP関節が顔を出すようすがボタン穴に見立てられた名称。スワンネック変形とは反対に曲がった状態。ボタンホール変形の図 | button hole deformity |
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2023.8.14
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