関節リウマチの診断基準や指標のいろいろ
診断基準にもいろいろあります。 診断そのものではなく、治療の効果などをチェックする指標もあります。
■診断の基準
どんな基準も完全ではなく、数十%診断できるという性質のものなので、条件がそろわないからといって、絶対に関節リウマチではないとは言い切れません。
●2010ACR/EULARクライテリア RA分類/診断基準 2010年改訂版 2009 ACR/EULAR criteria
日本リウマチ学会も、2012年1月16日に新基準導入を正式に決めたことを発表
スコアの合計が6点以上である症例は、「RA確定例(definite RA)」と分類される | 備考 | ||
腫脹または圧通関節数 | 1個の中〜大関節 | 0点 | 中・大関節:肩関節、肘関節、股関節、膝関節、足首関節を含む 小関節:MCP関節、PIP関節、第2〜第5MTP関節、第1IP関節、手首関節を含む |
2−10個の中〜大関節 | 1点 | ||
1−3個の小関節 | 2点 | ||
4−10個の小関節 | 3点 | ||
11関節以上、少なくとも1つは小関節 | 5点 | ||
血清学的検査 | RFも抗CCP抗体も陰性 | 0点 | 低値の陽性:基準値上限より大きく上限の3倍以内の値、高値の陽性:基準値の3倍より大きい値 |
RFか抗CCP抗体のいずれかが低値の陽性 | 2点 | ||
RFか抗CCP抗体のいずれかが高値の陽性 | 3点 | ||
滑膜炎の期間 | 6週間未満 | 0点 | 評価実施時に存在する滑膜炎に関して、患者自身の報告に基づく滑膜炎症状(疼痛、腫脹、圧痛)の持続期間。 |
6週間以上 | 1点 | ||
急性期反応 | CRPもESRも正常値 | 0点 | |
CRPかESRが異常値 | 1点 |
●早期リウマチ診断基準 厚生省研究班 1993年
6項目中,4項目以上を満たすとき,関節リウマチと診断される | 備考 | |
1 | 15分以上持続する朝のこわばりが、1週間以上あること | |
2 | 3領域以上の関節の腫れが、1週間以上あること | 領域は、PIP関節・MP関節・手・肘・膝・足・MTP関節の14領域に分けられる |
3 | 手関節またはMP関節またはPIP関節の腫れが、1週間以上あること | |
4 | 対称性関節腫脹が、1週間以上あること | 関節炎による腫脹であり、骨過形成による関節腫大でないこと |
5 | リウマトイド因子が陽性 | 正常人コントロールで5%以下の陽性率を示す測定法を用いること |
6 | 手または足のX線変化、軟部組織紡錘状腫脹と骨萎縮、または骨びらん |
●早期リウマチ診断基準 日本リウマチ学会 1994年
6項目中,3項目以上を満たすとき,関節リウマチと診断される | |
1 | 3関節以上の圧痛または他動運動痛 |
2 | 2関節以上の腫脹 |
3 | 朝のこわばり |
4 | リウマトイド結節 |
5 | 赤沈20mm以上の高値またはCRP陽性 |
6 | リウマトイド因子陽性 |
■活動性を評価する指標
●DAS disease activity score
3.7より大きいときHigh disease activity(活動性が高い)、2.4未満でlow
disease activity(活動性が低い)、1.6未満でremission(寛解)
血沈を用いる式 DAS(ESR) = 0.54×√(1)+0.065×√(2)+0.33×LN(4)+0.0072×(3)
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備考 | |
1 | Ritchie関節指数(RAI) | |
2 | 腫脹関節数(swollen44) | swollen joint count(0-44) |
3 | 患者による全般健康状態 | VAS general health patient (100mm中のmm) |
4 | 血沈(ESR) | mm/hr |
4' | CRP | mg/l |
●DAS28 disease activity score 28
5.1より大きいときHigh disease activity(活動性が高い)、3.2未満でlow
disease activity(活動性が低い)、2.6未満でremission(寛解)
血沈を用いる式 DAS(ESR) = 0.56×√(1)+0.28×√(2)+0.70×LN(4)+0.014×(3)
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備考 | |
1 | 圧痛関節数(T28) | |
2 | 腫脹関節数(swollen28) | swollen joint count(0-28) |
3 | 患者による全般健康状態 | VAS general health patient (100mm中のmm) |
4 | 血沈(ESR) | mm/hr |
4' | CRP | mg/l |
●ACRコアセット
1と2が共に20%以上の改善がみられ、かつ3〜7の5項目のうち,いずれか3項目で20%以上の改善がみられる場合ACR20、同様に50%ならACR50、70%ならACR70。通常はACR20が満たされるときを改善と判定する。 | 備考 | |
1 | 疼痛(圧痛)関節数 | |
2 | 腫脹関節数 | |
3 | 患者による疼痛度の評価 | 3〜5は、analog scale(一番良くない結果0として、一番良い結果を10として横に直線を引き、評価がどこに位置するかをマークする方法)またはLikert scale(1つの質問に対し「1.全くそう思わない」「2.あまりそう思わない」「3.まぁまぁそう思う」「4.かなりそう思う」などの4つの選択肢にそれぞれ1点〜4点の得点を与え、各質問の回答の合計点で各個人の意識を測る方法)で評価 |
4 | 患者による疾患活動性の全般的評価 | |
5 | 医師による疾患活動性の全般的評価 | |
6 | 患者による運動機能の評価 | MHAQを使用する |
7 | 血沈、CRPの値 | |
8 | X線所見などの画像診断法レントゲン所見 |
●CDAI・SDAI clinical disease acrivity index・simplified disease acrivity index
CDAI = (1) + (2) + (3) + (4) 22より大きいとき活動性が高い、22以下で中程度、10以下で低い、2.8以下で寛解
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備考 | |
1 | 圧痛関節数(T28) | |
2 | 腫脹関節数(swollen28) | swollen joint count(0-28) |
3 | 患者による全般健康状態 | VAS general health patient (100mm中のmm) |
4 | 医師による全般健康状態 | VAS general health patient (100mm中のmm) |
5 | CRP | mg/dl |
●ランスバリー活動性指数
1〜4の実測値をランスバリー指数換算表より%に換算し、4項目の%を足した和で判定される。 過去には薬効の評価などによく使用されてきたが、最近はACRコアセットのほうがよく使用されている。 | 備考 | |
1 | 朝のこわばり(持続時間) | |
2 | 握力(mmHg) | |
3 | 関節点数 | 炎症のある関節数 |
4 | 血沈(Westergren法) | |
5 | 疲労(出現時間) | |
6 | アスピリン必要量(錠数/日) |
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